トヨタ自動車は、車の事故防止を目指して開発を進めている、AI＝人工知能などを使って車を制御する技術の実証試験を公開しました。2028年ごろに実用化し、普及を目指す方針です。

 

 

トヨタは去年、NTTと共同で運転支援技術の高度化に取り組むことを発表するなど車の事故防止を目指して技術開発を進めていて、20日は静岡県裾野市の研究所で実証試験を報道陣に公開しました。

 

 

実証は、高速道路で車が加速車線から本線に合流する想定で、まず、車と道路を通信ネットワークでつないでセンサーやカメラから本線などを走るほかの車の位置や速度のデータを集め、AIが分析します。

 

車には会社が開発した車載用の基本ソフトウエアと「AIエージェント」が搭載されていて、分析したデータを即時に受け取り、速度の調整やハンドル操作を自動で行って車が本線に合流しました。

 

 

このほか歩行者の飛び出しなど事故の危険を事前に知らせる技術の実証も進めていて、2028年ごろに、こうした技術を実用化し、2030年以降の普及拡大を目指す方針です。

 

 

トヨタ自動車のデジタルソフト開発センター、皿田明弘センター長は「少し先を予測するだけではなく人の行動を変えてもらうよう促すことで、事故を減らしていきたい」と話していました。

 

自動車メーカーの間では車載用ソフトウエアの開発が本格化するなど、車の知能化をめぐる開発競争も激しくなっています。